ダクト工事コラム

過去のダクト火災事故から見る、メンテナンスの重要性

工場や飲食店で頻繁に起こるダクト火災

一般の住宅ではあまり聞くことはありませんが、工場や飲食店などではダクトの汚れが原因となるダクト火災が発生することが珍しくありません。実際、消防庁の調査によると、2016年の1年間で、バー以外の一般飲食店で起きた火災のうち、8件の火元は排気ダクトでした。そこで今回は特に飲食店でのダクト火災事例から、ダクトのメンテナンスの重要性についてご紹介します。

ダクト火災が起きる原因とは?

清浄な空気や汚れた空気の通り道となるダクト。このダクトで火災が起きる最大の理由は、ダクト内に堆積した油や埃などに、何かの原因で着火してしまうことにあります。特に飲食店では、ダクト内に堆積した油が調理で使う火が引火することで、火災が発生するケースが多いようです。

ダクト内だけの火災であれば、建物や人への被害はそれほどないのではないかと思われるかもしれません。もちろんこれまでの事例においても、ダクト火災による死傷者は、通常の火災に比べると多くはないようです。しかし飲食店でのダクト火災は基本的に厨房で起こります。そのため、消火活動によりほとんどの調理器具は使えない状態になり、もし隣接店舗に延焼が広がればそれも含めた損害金額は非常に大きなものとなるのです。

過去の飲食店でのダクト火災事例

飲食店は火と油を大量に扱うため、どうしてもダクト火災が起きやすい環境にあります。特に焼肉、鍋物など厨房だけではなく、客席でも常に火を使う飲食店では、ダクト火災の危険度が高いといえます。

最近、ダクト火災が増えている飲食店は食べ放題の焼肉やホルモン焼きなどの店舗です。実際、2017年11月下旬には、名古屋市の焼肉店で食べ放題のホルモンを焼いていたところ、火柱があがり、その火が客席の排気ダクト内のすすに燃え移り、店は全焼したという事件がありました。ほかにも同じ2017年12月には、渋谷の焼肉店において七輪で焼いていたホルモンから火が出て排気ダクトに燃え移り、ダクト40mが焼けるといった事故も起こっています。

食べ放題は時間制限があるため、どうしても短時間で一気に大量の肉を焼こうとするため、こうしたケースも増えているようです。

飲食店でのダクト火災を防ぐためにできることとは?

前項で挙げたダクト火災事例は、どちらもお客さんが使っていたコンロや七輪から排気ダクトに燃え移ったことが原因となっています。そのためこうした店舗においては、お客様に肉を焼く際の注意喚起をすることももちろん重要です。しかしそれ以上に重要なことは、店舗側で常にメンテナンスを怠らないようにすることです。

先述したように、ダクト火災の一番の原因は、ダクト内に油や埃が堆積することです。つまりダクト内の点検・清掃を怠らないことで、火災の危険性は大きく軽減できることになります。事例で紹介した焼肉店のほか、焼き鳥、ラーメン、てんぷら、中華など油を大量に使う飲食店もダクト内清掃は徹底して行う必要があります。

そして飲食店のダクト火災を防ぐには、点検。清掃を定期的に行うことです。油や埃は日々堆積し続けます。1回清掃したから大丈夫ということではなく、こまめな点検・清掃こそが、ダクト火災を防ぐ一番の方法なのです。

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