コラム

ダクトに関するミニ知識~はぜ~

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「はぜ」って知っていますか?

「はぜ」という言葉を聞いたことがありますか?

 

聞きなれないかもしれませんが、板金加工の分野で「はぜ」とは、板を接続する場合に用いる折り曲げの部分のことを指します。一口に「はぜ」といっても、さまざまな種類や特徴がある奥の深い「はぜ」。

 

そこで今回は、この「はぜ」に関するミニ知識をお届けします。

 

「はぜ」の基本知識、教えます

そもそもダクトとは、空調機器から建物内の各箇所へと空気を届ける、いわば空気の流れ道です。ダクトは一般的に、鉄板製の部材を組み合わせてつくられています。はぜとはこのダクトの鉄板を組み合わせていく際に、鉄板同士を接続させる箇所に用いる折り曲げ部分です。

 

どうして鉄板同士を接続させるのに「はぜ」を用いるの?

ダクトに限った話ではありませんが、板金を加工する時、鉄板同士の接合部分は強度が落ちてしまいます。そのため、経年劣化などにより隙間ができやすくなります。ダクトに関して言えば、もし隙間ができてしまうとそこから空気が漏れ、ダクトとしての役割を果たせなくなってしまいます。

 

とくに厨房ダクトの場合、調理場からは煙や熱気が排出されているため、ダクト内には油が溜まりやすくなります。接合部分に隙間ができ、そこから空気と一緒に油が漏れれば、火災の原因となる可能性もあります。

 

はぜはそういったリスクを避け、接合部分の強度を増してくれる心強い味方なのです。

 

意外とたくさんある!? 「はぜ」の種類と特徴

はぜにはダクトの用途などにより、いくつかの種類があります。おもにダクトの側面部分に用いられるはぜと、おもにダクトの平面部分に用いられるはぜついてご紹介します。

 

ダクトの側面部分に用いられる「はぜ」の種類と特徴

ダクトの側面部分に用いられるはぜ
ボタンパンチスナップはぜ
(ダクトはぜ)
「ダクトはぜ」とも言われ、空調ダクト、換気ダクトなどはば広く用いられます。形状としては外側から内側にUの字を書くように折り込まれていて、先の部分がスナップで引っかかるため、外れにくい構造になっています。
ピッツバーグはぜ
(三井はぜ)
このはぜの形状が日本に入ってきた時、最初に三井財閥の建築物で用いられたことから「三井はぜ」とも呼ばれています。外側から内側に入りそこでヘアピンカーブのように折り曲げ、そのまま外側に回り込むように出ていきます。工程が複雑な分、強度も高く排煙ダクトや高圧ダクトなどに用いられています。
側面はぜ
(本はぜ)
「本はぜ」とも呼ばれていて、ピッツバーグはぜが主流になる以前は、この側面はぜが主流となっていました。外側、内側両方の鉄板がUの字を描くように折り込まれていることで、気密性は高いものの、作業工程が手間取ってしまうため、最近ではあまり使われていません。

 

ダクトの平面部分に用いられる「はぜ」の種類と特徴

ダクトの平面部分に用いられるはぜ
甲はぜ 鉄板を平面で継ぐ部分に用いられます。両方をUの字状にかますことで外れにくいつくりになっています。円形ダクトの平継ぎ部にも用いられています。
立てはぜ 甲はぜ同様に鉄板を平面で継ぐ部分に用いられます。甲はぜを縦型にしたような形状で、鉄板の補強としての役割も果たします。

 

地味で目立たないけど、いないと困る「はぜ」

用途や接続する箇所によって、さまざまな種類のはぜがあります。はぜはダクトが正常に機能するために大切な役割を果たしています。

 

もしダクトの清掃や点検をする機会があったら、ぜひはぜに注目してみてください!

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