ダクトに関するミニ知識~閉止板(メクラ)~
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ダクトの設置工事をする際、末端部分を閉鎖するのに閉止板を使い蓋をします。普通に考えればふさいでしまえばいいのではと思われるかもしれません。特に負荷がかかる高速ダクトなどでは、閉止板では外れてしまうリスクもあります。しかしそれでも閉止板を使うにはれっきとした理由があります。そこで今回はダクトの末端を閉鎖するのに使われる閉止板に関してご紹介します。
ダクトの末端を閉鎖するのに閉止板を使う理由
ダクトの末端をふさいでしまえば、高速ダクトであっても外れてしまうといったリスクはほとんどありません。閉止板にすれば、そのリスクがあるためわざわざ補強をするといった余計なコストもかかります。ではなぜダクトの末端を閉鎖するのに閉止板を使うのでしょう?
その答えは簡単です。ダクトの末端を閉鎖するのに閉止板を使うのは、将来的に拡張工事やリフォームなどを行うときのためです。
もし末端部分をふさいでしまっていれば、その部分のダクトごと交換しなければなりません。
しかし閉止板で蓋をしただけであれば、それを外すだけですぐに延長ダクトの接続ができます。閉止板を使うのは、将来的に余計なコストや手間を省き、どのような拡張工事であっても柔軟に対応できるようにするためなのです。また閉止板に取っ手を付けることで集塵用の掃除口とすることもできます。
閉止板を使う場所と材質
閉止板は基本的にほとんどの用途のダクトで使われています。オフィスビルや店舗ビルはもちろん、トンネル内などの総排気管や産業用建物の集塵用ダクト、そして一般的なマンションの厨房や浴室、トイレの換気ダクト、冷暖房用ダクトなど、その用途を選びません。
閉止板の材質は耐食性や経済的に優れた亜鉛のもの、耐食性以外にも耐熱性、耐候性、加工性に優れたステンレスの他、アルミニウムが含有されていることで、亜鉛鋼板に比べさらに耐食性、防錆性に優れたガルバニウム、そして耐薬品性、耐湿性、耐酸性、耐塩性に優れた塩ビ鋼板などさまざまです。ダクトへの取り付けは共板工法やフランジ工法などが使われます。
高速ダクトなどでの補強について
閉止板は取り付け時にボルトでしっかりと固定されますが、それでも負荷がかかりやすい高速ダクトでは、万が一にそなえ閉止板が外れてしまわないように補強が行われます。
補強の方法はダクト補強の定番であるアングル鋼を取り付けるアングル補強やダクトの板自体に加工を施すリブ補強などが一般的です。
ダクトは、建物自体が拡張やリフォームされるのに併せて柔軟に形を変えていくことが求められます。そのためには既存のダクトの取り外しや延長などが簡単にできなくてはなりません。閉止板は建物の将来を見越したうえで、非常に重要な役割を果たす部品のひとつなのです。