BCP対策としても効果的なマイクロダクトとは?|岩元空調
ダクト工事
まさかの緊急事態に対応するためのBCP対策とは?
2011年に起きた東日本大震災以降、企業はもちろん、飲食店やショップなどさまざまな業種でBCPが注目されるようになりました。このBCPとは地震のほか、大火災、テロ攻撃などさまざまな緊急事態において、事業資産の損害を最小限に抑え、中核となる事業の継続、または早期復旧を可能とするために行う計画ですが、損害を最小限に抑えるためのひとつの施策としてダクトの見直しがあることをご存じでしょうか。今回はBCP対策としても効果を発揮するマイクロダクトについてご紹介します。
静か、軽量なマイクロダクト
マイクロダクトとは、ガラス繊維を熱硬化性樹脂で固め、外側の部分をガラス糸で補強したアルミ箔で仕上げたグラスボード板で制作されたものです。グラスボードは厚さ25mm、密度60kg/㎥以上と断熱性、消音性に優れていて、空気の温度を大きく変化させることなく、換気口まで静かに運ぶことができます。
またグラスボードのもうひとつの特長が軽量性です。一般的にダクトに使われている鉄板に比べ、1㎡あたり約1.8kg程度と非常に軽量です。
マイクロダクトは国土交通省の「公共建築工事標準仕様書のグラスウールダクト製ボックス」の適合品であると同時に「JIS A 4009(空気調和及び換気設備用ダクトの構成部材)」の規格品にもなっていて、消音性が求められる映画館やホールをはじめ、吹出口や吸込口の器具ボックスでの使用も一般的になりつつあるダクトです。
震災の際に力を発揮するマイクロダクト
東日本大震災では、換気ダクトの落下によって、怪我はもちろん、避難路が塞がれてしまい逃げ遅れるといった被害が多く発生しました。それは従来のダクトが鉄板の周囲もしくは内部に断熱・吸音材が施されていたことで、かなりの重量になっていることが関係しています。ただでさえ重量のある鉄板にさらに断熱・吸音材が施されていたものが落下すれば、その危険性は火を見るよりも明らかです。
これに対しマイクロダクトは、それ自体が断熱、吸音材であるクラスウールのボードで成形されていて軽量のため、地震の際に落下することがあっても、従来のダクトに比べ大きな怪我をしてしまう可能性を大幅に軽減します。さらに仮に避難路を塞いだとしても、端に寄せるなど移動させられることで避難路の確保も容易にできます。ダクトと震災は一見、あまり関係ないことのように思えます。しかし実際はダクトの種類が違うだけで怪我や逃げ遅れの危険を大きく軽減することができるのです。
軽い、静かだけではないマイクロダクトの特長
軽くて静かなマイクロダクトですが、実はさらに大きなメリットがあります。マイクロダクトは、錆び、腐食が生じないうえ、一般のダクト工事に比べひとつの工程でダクト・吸音・断熱工事が完了するため、工期が短くコストも抑えることが可能です。また合成樹脂系のダクトにくらべて強度があるのも特長のひとつです。
地震大国である日本は、どこに住んでいても地震の心配がない地はありません。企業や飲食店、ショップなど万が一の際に少しでも被害を抑え早期復旧を目指すためにも、古いダクトの交換をお考えの際はマイクロダクトをおすすめします。