冬の換気停止は換気ダクトの結露の危険がある|岩元空調
ダクト工事
換気と結露の関係性を知ることの重要性
2003年に建築法が改正され、24時間換気システムの設置が義務化されました。住宅性能が上がり、高気密高断熱の住宅が増えたことが義務化の主な理由です。そして2015年3月には「建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律案」が閣議決定され、2020年以降のすべての新築住宅は高気密高断熱住宅となります。今後、ますます換気の重要性は高まるでしょう。そこで今回は、換気と結露の関係性について詳しくご紹介します。
なぜ24時間換気が必要なのか?
建築法の改正によって義務化された24時間換気。そもそもこの改正は、住宅の建材などから出るホルムアルデヒドやトルエンといった化学物質が原因で頭痛やかゆみ、鼻水などの症状を引き起こすシックハウス症候群対策として施行されました。24時間常に換気を行うことで、住宅内にある化学物質の濃度を下げることが目的です。
従来の日本家屋は、外気を上手く取り入れることに長けていました。しかし建築技術が上がったことや、そして北海道や東北・北陸など寒冷地を中心に冬の寒さをしのぐため、高気密高断熱住宅が増えるようになった結果、寒さは防げるようになったものの、以前のように換気が十分にできなくなり、シックハウス症候群といった別のデメリットが生まれてしまいました。
24時間換気を停止してしまうことのリスク
せっかく高気密高断熱住宅を建て、寒さを防げるようになったにもかかわらず、常に部屋の中で換気をしていたら、結局は寒さをしのげないのではと思うかもしれません。実際、寒さに耐えきれずに換気システムを停止してしまうケースもあるようです。しかし、換気システムを止めてしまうことで2つの大きなリスクを抱えてしまうことになります。
リスク1:シックハウス症候群など体調面に問題が起きやすくなる
前述したように24時間換気システムは元々、シックハウス症候群対策として始まったものです。換気を止めてしまえば、当然またシックハウス症候群の問題が再発することになります。
リスク2:結露が発生しやすくなる
高気密高断熱住宅で換気を止めてしまえば、高確率で窓や押し入れ、そして換気ダクトに結露が発生します。家の中の空気の対流が起きず、発生した湿気が排出されなくなり、家の中に滞留してしまうからです。
ダクトの一番の結露防止策は換気
ダクトに結露が発生すると、換気能力が弱まることはもちろん、汚れやカビの原因となり、それを吸って病気になるといったリスクがあります。またダクトから水漏れが起き、場所によっては漏電によって火災が起きるといったケースも考えられます。
そうしたリスクを避けるには、寒い時でも換気を完全停止することなく、弱めてでもつけておくこと、そしてダクト内の確認、清掃をしっかりと行いましょう。