ダクトを保温する必要性とは?保温するメリットや保温材の種類を紹介
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ダクトの保温は、快適な室内環境を維持するために欠かせない施策です。
本記事では、ダクトを保温する必要性や保温ダクトのメリット、保温材の種類などについて分かりやすく解説していきます。
目次
保温ダクトとは
保温ダクトとは、保温効果を施したダクトのことです。保温工事をしていないダクトに比べて、室内環境の維持に関してさまざまなメリットをもたらします。そもそもダクトは、室外の新鮮な空気を室内へ供給したり、室内の空気を室外へ排出したりして、室内環境を整える役割を持ちます。
ダクトの基本知識については以下の記事で詳しく説明しているので、あわせてご覧ください。
ダクトを保温する必要性
マンションやビル、工場などは建物自体が大きいため、冷暖房を使用する際は建物内に冷暖房機器と各フロアをつなげる長いダクトを設置します。そのダクトを通して、冷気や暖気が各部屋へ運ばれる仕組みです。
そこで、保温効果のないダクトを使用すると、部屋に冷気や暖気が届く前に、空気の温度に変化が生じます。冷気は温まり暖気は冷めるため、冷暖房効率が悪くなってしまうのです。
配管や継手などダクト全体を保温することによって冷暖房効率が上がり、ダクトを通る空気の温度変化を抑えながら、室内へ送り届けられます。
また、保温効果を施していないダクトでは、冬場に暖房を使用するとダクト表面に結露が発生するおそれがあります。ダクトに結露が発生すると、以下のようなデメリットが生じます。
- 室内にしみやカビが発生する
- 湿度を好むダニが繁殖する
これらのデメリットも、保温工事によって解消が可能です。
保温ダクトのメリット
保温ダクトを取り入れることによって、すでに説明した冷暖房効率が上がること以外にも、以下のようなメリットがあります。
- 光熱費やメンテナンスコストを削減できる
- 建物の腐食を防ぐ
光熱費やメンテナンスコストを削減できる
保温ダクトにすることによって暖房効率が上がれば、光熱費の削減が可能です。
冷暖房効率が悪くなるのに伴って、光熱費やメンテナンスコストなどの負担も大きくなります。例えば、設定温度に沿った機能が働かず、必要以上に温度を調整したりより強力なモードにしたりすることで、光熱費が上がってしまうことが考えられます。
光熱費を削減するためには、保温ダクトが効果的なのです。
建物の腐食を防ぐ
ダクトに保温効果を施すことによって、結露の発生を防ぐことができます。
すでに説明したように、室内に結露が発生し放置することで、室内の腐食が進むおそれがあります。保温ダクトにすることで建物の腐食を防ぐことができ、室内の安全性を高める効果が期待できるのです。
ダクトの保温材の種類
ダクトの保温工事を行う際に重要になるのが、保温材です。断熱材とも呼ばれます。保温材にはいくつか種類がありますが、代表的なのは以下の3つです。
- グラスウール
- ロックウール
- ラッキング
このほかに、保温剤としてポリウレタンを原料とする「多孔性の合成ゴム」や「ウレタンフォーム」が使用される場合もあります。ダクト工事業者と相談し、保温工事を計画しているダクトには、どのような保温材が適切かを見極めていきましょう。
グラスウール
グラスウールは、高温で溶かしたガラスを細い繊維にし、線状に施した保温材です。ガラス繊維が絡み合い熱を通しにくいため、断熱性が高くなっています。
また、素材がガラスのため不燃性が高いほか、吸音性にも優れています。軽量で柔軟性があることから、さまざまなダクトの形状に適用できるのも特徴です。
ロックウール
ロックウールは、天然鉱石を原材料とする保温材です。
不燃・防火性が高く、耐水性などにも優れているのが特徴ですが、一般的にグラスウールよりも価格は少し高くなります。そのため、日本ではダクトまわりの保温工事において、グラスウールより優先して使われることは基本的に多くありません。
一方で、ダクトによってはロックウールの方が高い効果を発揮するケースも。製鉄時の副産物の「高炉スラグ」や「玄武岩」などは、高性能グラスウールよりも不燃性・防火性に優れ、北欧などで約130年以上にわたり使用されてきました。
住宅の断熱材など、より防火・保温性能を求められる場合に使用されます。
ラッキング
ビルやマンションで保温工事を考えている場合、欠かせないのが「ラッキング」。ラッキングは、薄い金属でできた板状の素材です。
グラスウールやロックウールは、紫外線や衝撃に弱いという特徴があります。ビルやマンションなどの大規模な建物では、これらの保温材を保護するためにラッキングを巻き付けます。ラッキングによって、ダクトの保温効果と耐候性を高めることが可能です。
ダクトを保温する際の注意点
実際にダクトの保温工事を行う場合には、以下の点に注意しましょう。
- 保温材を適切に取り付ける
- 定期的なメンテナンスを行う
保温材を適切に取り付ける
ダクトの保温は、施工の質によって効果が大きく左右されます。断熱性を確保するために、保温材が適切に取り付けられているか確認しましょう。
ダクトと保温材の間に隙間ができていたり、取り付けが緩かったりすると、保温効果が低下するだけでなく、保温材が剥がれ落ちるリスクも高まるので注意が必要です。
定期的なメンテナンスを行う
ダクトに保温材を施したら、できるだけ長く保温効果を持続させるためにも、定期的にメンテナンスを行いましょう。特にダクトが屋外に露出する場合は、気候変化や紫外線などから保温材を保護材などで守り、劣化していないかを適宜確認します。
まとめ|ダクト工事なら岩元空調へお任せください
ダクトの保温は、冷暖房効率の向上や結露対策という点で非常に有効な対策です。ダクトの保温材には複数の種類がありますが、耐久性や保温工事を検討しているダクトに適した素材を選びましょう。
岩元空調では、ダクトの設計・製造・施工・修理までを一貫して行います。ダクトであれば、どのような形状のものにも対応します。排気ダクトや換気ダクト、給気ダクトなどのほか、特殊環境のもとで使用するダクトなど、ご要望があればご相談ください。