セントラル空調のダクト配管、空気の流れ
ダクト工事
ビルの空調システム、どういった方式かご存知ですか?
ビルの空調システムは、大きく分けて個別分散方式、もしくはセントラル方式の二種類です。一般的に延べ床面積にして1,000㎡以上のビルであればセントラル方式が主体となりますが、そもそもこの個別分散方式とセントラル方式の違いはどういったところにあるのでしょう? 今回は個別分散方式とセントラル方式の違いを基にセントラル方式の空調におけるダクト配管、空気の流れについてご説明します。
個別分散方式とセントラル方式の違い
個別分散方式とセントラル方式の一番の違いは、熱源の管理にあります。個別分散方式の場合、一般的な家庭にあるエアコンのように、空調を必要とする部屋、階ごとに個別に空調機を設置します。そのため熱源も基本的には空調機の数だけ存在します。
これに対しセントラル方式は熱源をビル内の一か所に設置し、各階、各部屋に空気を送ります。そのため中央熱源方式などとも呼ばれています。また個別分散方式とセントラル方式のもうひとつの大きな違いは、セントラル方式は、一か所の熱源から各階、各部屋に空調を送るため、必ずダクトが必要になることです。
セントラル空調、3種類の方式
セントラル方式のなかでも、熱を輸送するやり方により、「全空気方式」、「水方式」、「水・空気方式」と3種類の方式があります。ここではこのなかでも比較的コストがかからない方式が、全空気方式です。
この方式での空気の流れは、まずボイラ、もしくは冷凍機でつくられた冷温水を空調機の熱交換器に送ります。そして空調機では外気や室内からの還気ダクトから送出される空気を取り込み、冷温水と熱交換を行うことで調和された空気がつくられます。その後、調和された空気が送風機の動力によって送出され、給気ダクトを通して各階、各部屋に快適な空気が運ばれていきます。
この際、空気を送る方式には定風量方式と変風量方式の二種類があります。定風量方式は各階、各部屋にも一定の風量を送るため、それぞれに温度設定をするといったことはできません。これに対して変風量方式では、各階、各部屋に風量の制御を行えることから、別々に温度設定をすることが可能です。
セントラル方式ではダクトのメンテナンスを忘れずに
セントラル方式のメリットは、決算の際、勘定科目を「建物付属設備」とできることです。建物付属設備は耐用年数が15年になります。これが個別分散方式だと勘定科目が「機器および備品」となるため、耐用年数も6年と、9年も短縮されてしまうことになります。
耐用年数が長くなれば、管理する側としては更新の手間も軽減されるため、余分なコストも抑えられます。ただしセントラル方式の場合、熱源やダクトを納める広いスペースが必要になること、そしてダクトのメンテナンスが必要になります。特にメンテナンスに関しては、2019年10月から消費税増税がありますので、今から業者に相談のうえ、できるだけ早めのメンテナンス予定を立てるようにしましょう。