ダクトの歴史|厨房・空調・換気など各種対応の岩元空調
お役立ち情報 ダクト工事 豆知識
ビルやオフィス、商業施設、飲食店など、建築物のほとんどに備わっているダクト。明治時代に幕を開ける、日本のダクトの歴史を紐解いてみましょう。
ダクト先進国からの技術流入で現場作業も簡略化
快適な室内環境をつくりだすダクトが、日本へ伝えられたのは明治時代のこと。当時は板金職人が従事していたので、技能の系統としては板金作業ですが、配管工事に近い業務だったと捉えられています。当初は、部材に目印となる線を引くために使われる「墨壷(すみつぼ)」や「まとも」と呼ばれる大型のハサミなどによる、現場での製作が基本だったようです。
1960年代に入ると、ロール成形機などが導入され始め、手作業から機械化への流れを生み、現場製作から工場製作へと徐々に移行していきます。それでも1985年ごろまでは、製作や設置に手間はかかるのですが、強度や気密性に優れたアングルフランジ工法と呼ばれるダクト工法が主流となっていました。
これと時を同じくして、ダクト先進国であるアメリカやヨーロッパ諸国からは、軽量化を図ることができ、現場での作業効率もよいスライド工法や共板フランジ工法などの技術が流入。自動プラズマ切断機なども導入され、国内においても機械化の流れは一気に加速。生産性が大幅にアップすることにつながりました。現在では、安価に製作でき施工性も高い共板フランジ工法が最も広く使われていますが、輸送中の負担を減らすために、半完成品を折り畳んで現場へ運び組み立てるタイプなど、さまざまな試みがされています。