飲食店では換気のためにダクトが重要!抱えやすいダクトの悩みやリスクなどを解説
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飲食店では厨房で料理を作ることによって煙やにおい、熱が発生するため、これらを店内から排出するような仕組みが必要です。そこで欠かせないのが、換気や排気を行うダクトです。
今回は、飲食店におけるダクトの重要性から、使用されるダクトの形状と材質、飲食店のダクトに関するよくある悩みなどを解説します。
目次
飲食店におけるダクトの重要性
飲食店の厨房では、調理によって煙やにおい、熱が発生します。これらを室外へ排出しないと、室内環境が悪化してしまいます。お客様が飲食したり従業員が働いたりするためには、店内の環境を常に快適な状態で維持しなければなりません。
そこで重要となるのが、ダクトです。ダクトには、厨房で発生した煙やにおい、熱を室外へ排出し、きれいな空気を室内に取り入れる役割があります。
飲食店で使用されるダクトの形状と材質
ここでは、飲食店で使用されるダクトの形状と材質について解説します。
使用される形状は飲食店の形態によって異なる
ダクトには丸ダクトや角ダクト、フレキシブルダクトなどさまざまな形状があります。どの形状を使用するかは、飲食店の広さやレイアウトなどによって異なります。
例えば排気や換気、給気量が少ない場合は丸ダクト、排気量を多めにしたい場合は角ダクトを使用するのが一般的です。とくに焼き肉店や焼き鳥店、ラーメン店などは煙やにおい、熱だけでなく油量も多いので、角ダクトをおすすめします。
主に使われるダクトの材質は亜鉛鉄板
ダクトの材質には、亜鉛鉄板や鋼板、ステンレス鋼板、ガルバリウム鋼板などさまざまな種類があります。
飲食店でもっとも使われるのは、鋼板を亜鉛でメッキ加工した亜鉛鉄板です。あらゆる設置環境において扱いやすく、安価で設置できるのが選ばれる理由です。
なお近年では、天井までの高さを確保して開放感を演出する、ダクト本体を露出させた施工のリクエストが増えています。このような施工では、見た目が美しく耐腐食性に優れ、塗装しなくても光沢感のあるステンレス鋼板が採用される傾向にあります(価格は亜鉛鉄板の約3倍です)。
飲食店のダクトでよくある悩み
飲食店からのダクト工事に関する問い合わせで多いのが、以下のような厨房や店内の煙やにおいに関する悩みです。
- 煙やにおいの吸い込みが悪い
- 店内のにおいが消えない
- 煙が店内に充満する
- 熱が店内にこもりやすい
一方で、店の外側にある排気口に関する相談も少なくありません。排気口は店の外側にあるため異常の発見が遅れやすく、排気したはずの煙が、店舗の窓や入口ドアから再流入して気付くケースや、近隣からのクレームによって初めて気付くケースなどが見受けられます。とくに近隣からのクレームの場合は、そのまま放置すると店舗のイメージが悪くなることに加え、大きな問題に発展するケースもあるので、早めの対処が必要です。
また、ダクトの不具合は、ダクト設置時の風量計算や設計が正しく行われていないことに起因するケースもあります。
飲食店のダクト汚れを放置する危険性
飲食店のダクトの汚れを放置することによって、次のような危険が生じます。
ダクト火災が発生する
飲食店のダクト汚れを放置すると、さまざまなトラブルが発生する恐れがあります。中でも怖いのが、ダクト火災です。ダクト火災とは、ダクト内にたまったほこりや油に調理火が引火し、ダクト内で発生する火災のことです。火災が発生するとお客様に危険が及ぶだけでなく、消火作業によって厨房設備が使い物にならなくなってしまうなど被害は計り知れません。
CO中毒が発生する
ダクト火災と同様に、ダクト内の汚れを放置することで発生しやすくなるのがCO(一酸化炭素)中毒です。ダクト内に蓄積された汚れによって換気不良が起こりやすくなり、CO中毒が発生する環境ができあがってしまうのです。
実際に起こったケースとして、2009年、福岡県のファストフード店における事故が挙げられます。当該店では、換気用送風機が故障したため扇風機で応急的に換気をしていたところ、厨房にいたスタッフ3人がCO中毒を起こしてしまいました。扇風機を使って換気できているように思えても、実際は換気量がまったく足りずにCO中毒を招いてしまうケースがあるのです。
CO中毒を防ぐために把握したい「必要換気量」
前項で説明したように、CO中毒は換気不足によって発生します。CO中毒を防ぐためには、日頃からダクト整備をしっかり行うのはもちろん「必要換気量」について知っておくことも重要です。
必要換気量とは、室内の空気を衛生的に保つために最低限換気しなければならない空気量のことです。店内の広さや用途によって、必要な換気量は異なります。
必要換気量の求め方
必要換気量を知るためには、建築基準法によって定められている方法や、部屋の必要換気回数から求める方法など、いくつかの計算方法があります。ここでは、3つの主な計算方法を紹介します。
①1人当たりの専有面積から必要換気量を求める方法
必要換気量(立方メートル/h)=(20×居室の床面積(㎡))÷1人当たりの専有面積(㎡)
②床面積当たりから必要換気量を求める方法
必要換気量(立方メートル/h)=室の床面積当たり換気量(立方メートル/㎡・h)×室面積(㎡)
③部屋の必要換気回数から必要換気量を求める方法
必要換気量(立方メートル/h)=毎時必要換気回数(回/h)×部屋の容積(立方メートル)
これらの計算方法によって厨房の必要換気量を割り出したら、常にその数字を意識してこまめな換気を心がけましょう。
まとめ|ダクト工事なら岩元空調へお任せください
煙やにおい、熱が発生しやすい飲食店では、店内の環境を常に維持するダクトの存在が重要です。
ただし、ダクト内部には汚れがたまりやすいため、火災やCO中毒を引き起こさないためにも日頃から定期的な点検、清掃を行いましょう。必要換気量を把握することも大切ですが、計算方法が複雑であるため、異常を感じた場合は専門の業者に点検を依頼しましょう。
岩元空調ではダクトの現状を把握し、建物外部の排気位置を配慮した上で、ダクト工事に着手します。また、ダクトの設計から製造、施工までをワンストップで行うことで、設置環境に適したダクトを製造できるのが岩元空調の強みです。ダクトのお悩みは、岩元空調へお気軽にご相談ください。