ダクトを支持する方法とは?イレギュラーなケースでの支持方法も紹介
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ダクトをしっかり支持し固定することは、災害時に落下を防いだり、ダクトの振動が天井や壁に伝わることを防いだりするのにつながります。また、ダクトの支持方法は、ダクトの形状や設置パターンによって異なります。
本記事では、ダクトを支持する必要性やダクトの支持方法について解説します。
目次
ダクトを支持する必要性
ダクトの支持が必要な理由としては、「安全性」と「耐久性」の2つの面が挙げられます。
安全性
ダクトをしっかり支持することによって、地震や火災などの外部要因によるダクトの落下を防ぐことができます。ダクトが天井などに確実に固定されていなければ、ダクトの重みや振動によってダクトが床へ落ちてしまう危険性があります。
また、ダクト自体はそれほど重量があるわけではありませんが、災害によって天井からダクトが落下し、人に直撃すれば命を落とすおそれもあります。
さらに、建築に関する基準などによってダクトの支持方法が規定されているため、安全にダクトを使用するためにも支持が必要です。
耐久性
ダクトを支持することで、ダクトの寿命を延ばし、長期間にわたって機能を維持できます。ダクトがしっかりと支持されていないと、振動などによってダクトが破損しやすくなるおそれがあります。
ダクトの支持方法【形状別】
ダクトの支持方法は、ダクトの形状などによって変わります。ここでは、角ダクトと丸ダクトにおけるそれぞれの支持方法について説明します。
角ダクト
角ダクトの場合は、天井に設置されたインサート金物(※1)に吊りボルトをねじ込み、山形鋼などのアングルでダクトを支持します。強度が高いため、この支持方法が採られることが多いですが、コンクリート打設後にアンカーを打ち込む方法もあります。
(※1)コンクリートを打設する際にコンクリートと一体化させて埋め込む金物
丸ダクト
丸ダクトの場合は、角ダクトと同様に天井に埋め込まれたインサート金物に吊りボルトをねじ込み、専用の吊りバンドで支持します。
ダクトの支持方法【イレギュラー編】
前項では通常の角ダクトや丸ダクトの支持方法を説明しましたが、イレギュラーなケースでダクトを支持する必要がある場合もあります。
ここでは、以下の2つのパターンのダクトの支持方法について紹介します。
- 吊りの長さが長く横揺れしやすいパターン
- ダクトが壁を貫通するパターン
吊りの長さが長く横揺れしやすいパターン
ダクトの設置場所などによって、吊りの長さが通常よりも長くなってしまうと、前項で説明したような支持方法だけでは地震などの横揺れに対応できません。さらに横揺れに対応できるように、「振り止め」を施す必要があります。
振り止めとは、インサート金物に対して30度以上の角度を付けて斜めに設置し、角ダクトであればアングルに、丸ダクトであれば吊りバンドにボルトなどで固定することです。
また、振動を躯体に伝えないために、専用の防振吊り金具を使う場合もあります。
ダクトが壁を貫通するパターン
ダクトの内部で空気が流れることによって、ダクト自体に振動が発生します。建物の構造上、ダクトが鉄筋コンクリートの壁を貫通させなければいけない場合、振動が壁に伝わってしまいます。
ダクトが壁を貫通する場合は、ダクトの振動を抑える施工が必要です。ダクトの振動を壁に伝えないようにするには、ダクトと躯体の隙間にモルタル(※2)やロックウール(※3)などを詰め込み、固定します。
なお、モルタルとロックウールでは、ロックウールの方がより振動を抑える効果が高く、振動により発生する音を抑える効果もあります。
(※2)砂とセメントを水で練り混ぜた建築材料
(※3)鉄の生産によって出る高炉スラグと天然岩石に、石灰などを混ぜて高温で溶解し、強い遠心力で吹き飛ばすことで繊維状に加工した人造鉱物繊維
まとめ|ダクト工事なら岩元空調へお任せください
ダクトの落下を防いだりダクトの機能を維持したりするためには、ダクトをしっかりと支持し固定することが重要です。ダクトの支持には、吊りボルトやアングル、振り止めなどの部材を使用します。これらの部材が緩んでいないかどうかは、定期的に専門業者に依頼するようにしましょう。
岩元空調では、ダクトの設計から製造、施工、施工後のアフターフォローや修理まで一貫して行います。代理店料や外注費などがかからないため、コストダウンを実現できます。ダクト設備に関してお困りのときには、お気軽にお問い合わせください。