ダクトを強くする方法~いろいろあるダクトの補強方法~|岩元空調
ダクト工事
ダクトを長期間にわたり使うためには補強が欠かせません。ダクトの補強方法には、「アングル補強」「リブ」「タイロッド補強」などいくつかあります。今回は、そのダクトの補強方法についてご紹介します。
ダクトを補強しなくてはならない理由
ダクトは基本的には室内に設置されるため、風雨などに直接さらされることはありません。しかしキッチンなどから出る熱を帯びた空気や、外から入る強い風圧などにより振動を起こしたり、変形したりする可能性は十分にあり得ます。
具体的にダクトが振動や変形を起こしてしまうとどうなってしまうのでしょうか? まず振動が起きれば騒音が発生します。さらに振動が長時間続けば、ダクトに亀裂が入ったり、つなぎ目が外れることも考えられます。変形も振動と同様に亀裂や破損、つなぎ目の外れなどの要因となります。
最悪の場合、水漏れを起こすケースも…
ダクトに亀裂が入ったり、つなぎ目が外れてしまったりすれば、排気や換気ができなくなるだけではなく、ダクト内にある水が漏れ天井裏が水浸しになってしまうこともあります。こうした現象を防ぐため、ダクトは過酷な状況下にあっても振動や変形をできるだけ抑える補強が必須となるのです。
いろいろあるダクトの補強
補強方法の定番:アングル補強
ダクトを補強する主な方法には「アングル補強」があります。これは補強材であるフランジ形状のアングル鋼を取りつけることで、ダクトの強度をアップさせる方法です。これにより、たとえ長いダクトでもアングル鋼を中間部に取りつければ、ダクトの長さが分割されたのと同等になります。
その他の補強方法:リブ
アングル補強以外にも「リブ」という補強方法があります。このリブとは骨組みという意味で、ダクトの板自体に加工を施す補強方法です。スパイラルダクトにリブを形成したり、最近ではあまり使われませんが板にダイヤモンド格子の骨組みを組み入れて強度をアップさせます。これらの加工を施したダクトは一般的にリブダクトと呼ばれています。
リブダクトのメリットは、板厚が薄くても平面強度が増し、気流による波状振幅に対する振動抑制効果が優れているという点です。もちろん振動抑制効果があることで結果騒音の抑制効果もあります。
その他の補強方法:タイロッド補強
最近ではあまり使われなくなりましたが、ダクト内部に突っ張り棒のような棒を入れ、中から補強をするタイロッド補強もあります。ダクトの形を固定できるため、変形を防ぐのに効果を発揮します。一般的には一番変形が起こりやすいダクトとダクトの接合部分に、このタイロッドを入れ補強をします。
タイロッド補強は変形を防ぐといった意味では大きな効果を発揮しますが、それ単体で振動を防ぐ効果はありません。そのためリブダクトと併用して、振動にも変形にも強いダクトにすることも可能です。ダクトの振動による騒音や変形による水漏れなどといった問題が起きている場合は、早めにしっかりと補強を施したダクトへの交換をおすすめします。