ダクト火災はなぜ起こる?飲食店では定期的なダクトのメンテナンスが重要
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一般の住宅ではあまり聞くことはありませんが、飲食店では厨房から発生した油汚れなどがダクトに堆積し、これに厨房での調理の火が引火しダクト火災が引き起こされることも珍しくありません。消防庁の調査によると、一般飲食店(バー以外)で2016年の1年間で発生した火災のうち、8件の火元は排気ダクトでした。
本記事ではダクト火災が起きる原因から実際に飲食店で発生したダクト火災の事例、ダクト火災を防ぐためにできることを解説します。
飲食店におけるダクトの重要性については、以下の記事で詳しく解説しています。
飲食店では換気のためにダクトが重要!抱えやすいダクトの悩みやリスクなどを解説
目次
ダクト火災が起きる原因
清浄な空気や汚れた空気の通り道となるダクト。このダクトで火災が起きる最大の理由は、ダクト内に堆積した油や埃などに、何らかの原因で着火してしまうことにあります。とくに飲食店のダクトにおいては内部に油が溜まりやすいため、この油に調理で使う火が引火することで火災が発生するケースが多いようです。
「ダクト内の火災なら、建物や人への被害はそれほどないのではないか?」と考える方も多いのではないでしょうか。実際に、過去に発生したダクト火災において、通常の火災に比べると死傷者は少ないようです。
しかし、飲食店のダクト火災は基本的に厨房で起こります。消火活動によってほとんどの調理器具は使えない状態になるでしょう。火災の規模が小さくても、天井や床を壊してダクトを切ってダクト内部へ放水する必要があります。火災が収まったあともこれらの改修のための支出が生じるでしょう。もし隣接店舗に延焼すれば、その損害金額も負担しなければなりません。これらを踏まえると、ダクト火災への対策は欠かせないといえます。
飲食店で発生したダクト火災事例
飲食店は火と油を大量に扱うため、どうしてもダクト火災が起きやすい環境にあります。特に焼肉や鍋物など、厨房だけではなく客席でも常に火を使う飲食店では、ダクト火災の危険度が高いといえます。
渋谷センター街の飲食店で発生したダクト火災
2023年9月下旬、東京の渋谷センター街にあるビルに入居する飲食店の厨房でダクト火災が発生。けが人や逃げ遅れた人はいませんでしたが、多くの人が行き交う渋谷センター街で発生した火災に、周囲は当時騒然としていたようです。
北九州市の飲食店で発生したダクト火災
2024年4月下旬には、福岡県北九州市にある飲食店街の飲食店でダクト火災が発生。この火災は周囲の複数の建物にも延焼し、一定の被害が生じました。
飲食店でのダクト火災を防ぐためにできること
焼肉店などでは客席にダクトが設置されていることもあります。この場合には、お客様に対して「肉を一気に焼かないように注意してください」などと都度注意喚起をすることも重要です。店舗側としても、以下について常に意識しましょう。
定期的にダクトを点検する
まずは、定期的にダクトを点検しましょう。具体的には以下のような点を確認します。
- 煙が排気されているか
- グリスフィルターに油汚れが溜まっていないか
- 排気ダクトの吹き出し口に油が染み出していないか
「店内や厨房が煙たい……」という場合は煙がしっかり排気されておらず、排気ダクト内に油汚れが溜まっている可能性が高いでしょう。厨房から排気される油やダストを取り除くために厨房ダクトに設置するグリスフィルターに、油汚れが溜まっていないかも確認するようにします。
また、排気ダクトの吹き出し口に油が染み出している場合には、ダクト内部がかなり汚れていることになります。
定期的にダクトの清掃を実施する
定期的にダクトを点検した上で、ダクトの清掃もコンスタントに実施しましょう。なお、各自治体の火災予防条例では、ダクトの定期的な点検・清掃を義務付けています。
目で確認できる部分については日常的に拭き掃除などで対応し、汚れがひどい部分や自分で清掃するのが難しい部分については業者に依頼して清掃してもらい、清潔な状態を保ちます。
「無煙ロースター」はとくに注意
焼肉店で導入していることの多い無煙ロースターは、ダクト火災を防ぐためにとくに注意が必要です。
無煙ロースターは煙を常に吸い取るように設計されていますが、内部に油汚れが溜まりやすくなっています。また、無煙ロースターの内部の様子は目視では確認しづらいため、堆積した油汚れをそのまま放置してしまうケースも少なくありません。
無煙ロースターを導入している場合には、業者に依頼して定期的にメンテナンスをしましょう。
まとめ|ダクト工事なら岩元空調へお任せください
ダクト火災は、ダクト内に溜まった油汚れへの引火が原因で発生します。ダクトの内部で生じる火災とはいえ、延焼すれば店舗内や近隣の建物へ被害が広まる恐れもあります。ダクト火災を防ぐためには、ダクトの日常的な点検と清掃が重要です。目視でも定期的にダクトに異常がないか確認し、掃除を実施しましょう。
岩元空調ではダクトの設計から製造、施工、修理まで一貫して対応します。店舗の形状や用途に合わせて最適なダクト工事の提案が可能です。ダクトのお悩みなら、岩元空調へお気軽にご相談ください。