コラム

省エネに効果を発揮!空間を分けて考える空調方式

ダクト工事

省エネ効果を高める空調方式とは?

地域によっては40度を超えることも珍しくなくなった日本の夏。日中はもちろん夜間も熱中症の危険があるため、冷房を欠かすことはできません。そこで気になるのが省エネです。

体調を考えれば冷房を切るわけにはいきませんが、無駄なエネルギー消費は抑えたいところです。とくに多くの人が出入りするオフィスビルでは、人の多いところと少ないところで空調を上手く使い分ければ、かなりの省エネ効果があります。そこで今回は空間を分けて考える空調方式についてご説明します。

省エネ効果を発揮するタスク・アンビエント空調

オフィスでは常に人が滞在する執務スペースと、給湯室や廊下など比較的滞在時間が短い空間があります。このように滞在時間が長い空間をタスク域、短い空間をアンビエント域とし、それぞれに分けて空調を行うのが、タスク・アンビエント空調です。

これまで多くの空調システムは、どちらの場所も分けることなく均一に快適にしようとしていました。しかしそれでは空調負荷も大きくなり、エネルギーを無駄に消費してしまいます。そこでエネルギーを無断なく効果的に活用しようと考え出されたのが、タスク・アンビエント空調方式です。

足元から快適空間をつくり出す床吹き出し空調

タスク・アンビエント空調では、空間をタスク域とアンビエント域に分けて管理します。しかしここで紹介する床吹き出し空調は、空間を人が活動する居住域、人の手が届かない非共住域に分けて空調を管理する方式です。

この方法では、居住域を快適な温度域にします。たとえば、最近のオフィスビルでは、パソコンやOA機器の配線を床下で行うフリーアクセスフロアを導入しているケースが増えています。このフリーアクセスフロアはOA機器の配線を床の下に設置して二重床にするものですが、配線が多く発熱量も少なくありません。そこで二重床の空間を利用して床から調和された空気を吹き出すことで、このフロアを快適な温度域にすることができます。

一般的な住居では、暖かい空気は上に行き、冷たい空気は下に行くため、足元を中心に冷やしても効率は悪くなりますが、フリーアクセスフロアのような空間の場合は床吹き出し空調を用いることで、快適な空間を作り出せるのです。

外気温や直射日光の影響のあり、なしで分けるペリメータレス空調

省エネに貢献する空調方式はほかにも、ペリメータレス空調といったものもあります。これは、外的要因を受けやすい窓や外壁に近いぺリメーターゾーン、外気温や直射日光の影響を受けにくい内側エリアのインテリアゾーンに分けて空調を管理する方法です。この方法では、ぺリメーターゾーンの熱負荷を、排気や換気といった空気の流れで取り除き、ぺリメーターゾーンを意識せずともバランス良く空調が行えるようにします。

インテリアゾーンがOA機器による発熱量が多いオフィスの場合、冬でも冷房が必要なことがあるため、ぺリメーターゾーンとの温熱環境を近づけることで、混合損失の回避、温熱環境の改善など大きな省エネ効果を発揮します。

空間を分けて管理することで快適性と省エネ効果の両立を実現

現在、日本ではエネルギーの生成と消費のプラスマイナスをゼロにする建物、ZEB(ゼロ・エネルギー・ビルディング)の推進を行っていて、2030年までに新築の建築物すべてをZEB化することを目指しています。

今回ご紹介したタスク・アンビエント空調や床吹き出し空調、ペリメータレス空調はいずれもそこにいる人の快適性を保ちながらも省エネに大きく貢献する空調方式です。これからビルを建てる、もしくは改修、見直しを行う際のダクト工事についてはぜひ、弊社までご相談ください。

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